What is Ceramics Crown?!

メタルセラミックスクラウンと、オールセラミックスクラウン違いは?!

 メタルセラミックスクラウンと、オールセラミックスクラウンの違いを簡単に言うと、コーピングの材質がメタルコーピングが、ジルコニアコーピングに変わっただけである。しかし、メタルの不透明の素材に代わり、半透明コーピングになった事により、クラウン全体に光が周り、そして自然感のある光の透過が生じ、結果、口腔内では明るく綺麗に見える。

 

 臨床上メタルセラミックスクラウンを完成し、口腔内に装着後に患者は、

「先生、仮歯のほうが綺麗だった・・・・」

と言うことが多々ある。(セラミックスクラウンとは?!の中段の図-1~7)

 

 それは、メタルセラミックスクラウンが、メタル、メタル色を消す為のオペークを含む構造上、レジンだけの半透明な仮歯のような透明感が無くなる。その結果、メタルセラミックスクラウンに天然歯には無い不透明感が生じ、如何にも人工物を入れました感が出ているからである。

 

 メタルセラミックスクラウンの場合には、テンポラリークラウン(仮歯)の審美を超えることは一つの山であった。しかし、オールセラミックスは、メタルセラミックスクラウンでの不都合な構造が無くなったために、テンポラリークラウン(仮歯)よりも色調が人工的な歯に仕上がることは少なくなった。

 

 オールセラミックスクラウンは、金属アレルギーがないために安心感はあるが、通常の審美感は、メタルセラミックスクラウンとオールセラミックスクラウンとの差は、特定の光源下以外ではあまり感じないし、通常のオールセラミックス(ジルコニアフルクラウン、プレス型フルクラウン)では、表面的な色付けなので、ベースは単一な色調のものに色つけしたものなのである。それは、経年と共に色調は剥がれ落ち、そのために面が粗造になり、歯肉の状態が悪くなるという報告も聞こえてきている。とはいえ、メタルセラミックスでの一つの山である審美を超えているので、メタルセラミックスクラウンと比べ、歯科医師、患者にも受け入れられている要因と言えよう。

 

 難しい色調は、かえってメタルセラミックスクラウンの方が再現しやすいと私は考えている。メタルセラミックス用の陶材と、オールセラミックス用の陶材が性質が違うためである。

 

 その性質とは、メタルセラミックス用陶材は、色調にメリハリ感があり、透明から不透明までの幅が広く、オールセラミックス用陶材はそれらの領域は狭いので、色調再現はメタルセラミックス用陶材よりも難しいのである。

 

 光の透過性、色調の再現性とどちらが大切なのかと悩むところではある。それは患者の職業や、要望によって変わってくるところであるが、私はメタルセラミックスの色調の幅の豊富さ(色調の表現の豊かさ)の方を重視したいと考えているが、そこは経験によりどちらの材質でも表現できるように我々は努力するべきである。